ワインの産地(海外)

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■フランスワイン

フランスでは、ほぼ全土で多かれ少なかれワインが生産されています。品質の高さ、洗練されたワイン文化、知名度などで、フランスより優れたワイン産地はありません。これは、フランスの気候・風土が、ワイン用ぶどうの栽培に適していることが一番の理由ですが、1935年にAOC法を制定するなど、国を挙げて品質の維持・向上に取り組んでいることもフランスがワインの産地で優秀であることの裏付けています。

■ドイツワイン

ドイツはその地理的要件から、葡萄の栽培が南部の地方に限られてしまいます。この地は葡萄の生育できる北限とされ、主にフランスに近いライン川やその支流沿いでワインが生産されています。冬季、時にクリスマスにはシナモンなどスパイスを利かせたホットワイン、『グリューワイン』が飲まれています。

■イタリアワイン

イタリアは、フランスと並ぶ最大のワイン生産国であり、生産量・海外輸出量でフランスと毎年首位を争っているほどです。ピエモンテ、ヴェネト、トスカーナなど北部の諸州のものが特に有名です。

■イギリスワイン

イギリスはウィスキーやビールの生産量がはるかに多いものの、ウェールズ地方では少量ですがワインが生産されています。また、近年の温暖化の影響により、イングランド全土でワインの生産が可能になり、殊に発泡ワインは、UKワインとして世界に広まってきています。

■スペインワイン

スペインはフランス、イタリアに次ぐワイン生産国です。北部のラ・リオハ地方及びカタルーニャ地方、中部のラ・マンチャ地方、南部のアンダルシア地方が有名な産地にあたります。

■ポルトガルワイン

ポルトガルでは、北部のダン地方、ヴィニョ・ヴェルデ地方及びアルト・ドウロ地方が有名な産地です。ポルトガル北部では独特の酒精強化ワインであるポートワインが生産されています。

■オーストリア

オーストリアがドイツ語圏である事から、そのワインもドイツに似た甘味のある物が主体と考えられがちですが、実際には貴腐ワインやアイスワインといったごく一部を除き、ほとんどが辛口のワインです。ヴァッハオ、クレムスタール、カンプタールを擁するニーダーエスタライヒやノイジードラーゼー周辺とその南部のブルゲンラント、更に南のシュタイアーマルクといった地方が比較的有名です。1985年に発覚した「ジエチレングリコール混入事件」を機に、輸出市場は一度壊滅的打撃を受けたが、以来世界一とも評される厳密な規制が設けられたため、品質が急激に向上しました。日本への輸出もここ数年大きく拡大しています。栽培面積の3分の1を占めるグリューナー・フェルトリナー種で名高いですが、質的にはリースリングも重要です。また、最近では赤ワインの醸造水準の向上も著しいです。

■ハンガリー

ハンガリーはブルゲンラント、ショプロン、ヴィッラーニなどの産地を抱えて有名で、中でもトカイのトカイワインは世界三大貴腐ワインの一つに数えられ、世界的に有名です。

■モルドバ

モルドバは古くからブドウが自生していた地域の一つで4千年から5千年前にはすでにブドウの収穫およびワインの製造が行われていたと言われています。地理的且つ歴史的理由から主にロシア帝国ないしはソヴィエト連邦に於いて消費をされており、ソヴィエト連邦時代に市場に出回っていたワインのおよそ7割がモルドバ産でした。独立後15-6年をへて少しずつ西側市場に出回り始めています。土壌及び趣向の違いから独特の風味を持っています。

■北アフリカ

古代よりローマ文明の影響下にあったエジプトでは、ビールとともにワインは古くから製造されてきました。また、近代において長くフランスの植民地であったモロッコやアルジェリア、チュニジアなどで、地中海性気候を利用してブドウを栽培し、ワイン生産を行っています。

■アメリカ合衆国

アメリカ合衆国は世界第4位のワイン生産国です。生産量の9割をカリフォルニア州が占め、サンフランシスコを中心とする北部太平洋沿岸地域は、ヨーロッパの名醸地と似た気温で知名度の高い産地が多く、ナパ・バレー地域を中心として、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールなどの品種が栽培され、高級ワインを産出しています。

■カナダ

カナダでは主にオンタリオ州のナイアガラ地方とブリティッシュコロンビア州のオカナガン地方やビクトリア周辺でワインが生産されています。品質管理のためにフランスやイタリアの原産地呼称管理制度を模して、ワイン卸商品質同盟が導入されています。アイスワイン最大の生産国です。

■アルゼンチン

アルゼンチンでは上質なワインのほとんどがメンドーサ州の高地で生産されています。かつてはワインの国内消費量において世界有数であったが、一方で質はそれほど高いものとはいえませんでした。他の飲料に押されて国内での消費が低調となり、それが生産者側の品質への関心を高めることになりました。また、ヨーロッパのブドウ畑の飽和状態から、不足を補おうと外資が参入したこともあって、国際競争力に耐える優良なワインが生産されるようになりました。独特の強い香りを持つものが多く、固定ファンも増えています。

■チリ

チリは南米を代表するワイン生産国であり、19世紀にヨーロッパブドウのヴィニフェラ種が持ち込まれたと言われています。首都 サンティアゴ の南で主に葡萄が栽培されており、1995年に施行された生産地の法規制によって、マイポ、ラペル、マウレの3つの大きな地域に区分けされました。コンチャ・イ・トロ、サンタ・リタ、サン・ペドロ、サンタ・カロリーナの4つの特に大きな生産者が知られる他、フランスのラフィットのロスチャイルド家やスペインのミゲル・トーレスなどの海外資本もこの地に畑を有し醸造所を構えています。

■南アフリカ

南アフリカ共和国では新世界としては比較的古く17世紀の半ばからワインの生産が行われてきました。長く続いたアパルトヘイトの影響もあり、この国のワインが国外に出ることは少なかったのですが、この差別制度が撤廃されて以降、徐々にその名が知られつつあります。気候の関係から、アフリカ大陸の最南端、喜望峰周辺で葡萄の栽培が行われています。

■オーストラリア

オーストラリアは、世界でも有数のワイン生産国であり、その多くを海外へ輸出しています。ブドウ畑は多くが比較的冷涼な大陸南部の沿岸に位置し、降水量が少ないことから灌漑が普及しています。南オーストラリア州でオーストラリア全体の半分が生産される他、ビクトリア州、ニュー・サウス・ウェールズ州、西オーストラリア州やタスマニア州もワインの重要な産地を多数有しています。著名な産地としては、南オーストラリア州にあるオーストラリア最大の産地リヴァーランド、他にバロッサ・ヴァレー、クナワ、ビクトリア州のヤラ・バレーが挙げられます。最も代表的なブドウの品種はシラーズです。

国別のワイン生産量(2005年調べ)

順位 生産量(トン)
1 フランス 5,329,449
2 イタリア 5,056,648
3 スペイン 3,934,140
4 アメリカ合衆国 2,232,000
5 アルゼンチン 1,564,000
6 中華人民共和国 1,300,000
7 オーストラリア 1,274,000
8 南アフリカ共和国 1,157,895
9 ドイツ 1,014,700
10 チリ 788,551
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